糖尿病副作用の少ない新糖尿病薬


■ 血糖値を調節する生体の仕組を活用した副作用の少ないインクレチン関連薬

経済発展とともに患者数が増加し、糖尿病が強く疑われる予備軍も含めると2200万人にも達する国民病になりつつある糖尿病、数々の合併症を引き起こす不治の病と恐れられていますが、最近、血糖値を調節する生体の精巧な仕組を生かした新しい治療薬が相次いで登場し、注目を集めています。

従来薬に比べて副作用が少なく高い効果が得られ、糖尿病治療に大きな変革をもたらすと期待が高まっているインクレチン関連薬。

アメリカドクトカゲは大量のエサを一気に食べても血糖値はほとんどあがりません。食べると同時にすい臓に伝達されインスリンが分泌されるからです。人間では小腸などの消化器官がだす「インクレチン」というホルモンがすい臓への伝達物質です。その働きを強化したのが「インクレチン関連薬」です。

また、従来の糖尿病薬は大量の薬を注射・服用しなければならないことが大きなネックとなっていましたが、インクレチン関連薬は注射薬と飲み薬があり1日1〜2回の投与でよくなり患者さんの負担が大幅に軽減されます。




■ インスリンホルモンの仕組を活用した糖尿病薬・・・インクレチン関連薬

インクレチン関連薬

糖尿病のカギを握るのはすい臓から分泌されるインスリンですが、小腸などの消化器官がだす「インクレチン」というホルモンの仕組を活用した「インクレチン関連薬」が2009年末から日本で発売されています。

このホルモンがインスリンの分泌をも促す作用は以前から分かっていましたが、物質や作用する仕組は不明で薬になるのは難しいと長い間思われていましたが、最近インクレチンの正体や振る舞いが分かり、創薬研究が進み、米製薬大手のメルクやデンマークのノボノルディスクなどが実用化に成功し、海外で先行発売した製品が、日本でも相次いで投入されています。メルク(日本では万有製薬)の「ジャヌビア」をはじめとする飲み薬とノボの「ビクトーザ」に代表される2種類がある。

糖尿病患者では「DPP4」という酵素が過剰に働いて1〜2分でインクレチンが消滅し、インスリンの量が減る。この薬は「DPP4」の活動を抑え、インクレチンでインスリンの分泌を促す作用を担う。

インクレチン関連薬は従来の治療薬をしのぐ効果があり、体重が増加する副作用がないので期待されています。ただ、現場では、従来薬とインクレチン関連薬を併用する高齢者に血糖値が下がり過ぎて意識がもうろうとする事態が発生した事例があり、インクレチンが効き過ぎているもようで、学会などでは併用時の処方に注意するよう呼びかけている。



■ 新たに有望な糖尿病薬の研究も進む。

ブドウ糖を細胞内へ輸送する腎臓にあるタンパク質「SGLT2」の働きを阻害する薬や、インスリン放出の反応のカギとなる酵素「グルコキナーゼ」を活性化させる薬が有望視されています。

また、根本的な治療法の研究も行われています。胎児期に栄養が不足すると成人してから糖尿病にかかりやすい。妊婦の健康状態が影響していると考えられ、その原因を突き止めて究極の治療につなげようと研究されています。

不治の病と思われている糖尿病も最近の目覚しい医学の発展で不治ではない日も近い将来くるかもしれません。