糖尿病糖尿病性腎症


■ 糖尿病性腎症は糖尿病の三大合併症の一つ・・・最も恐ろしい合併症

糖尿病になると恐ろしいのは合併症を発症することです。糖尿病には三大合併症があり、糖尿病神経障害、糖尿病網膜症、糖尿病性腎症です。血管が障害を受けることでいろいろな合併症を発症します。

糖尿病性腎症は三大合併症の一つで自覚症状なしに進行し、命にも関わるため、最も恐ろしい合併症といわれています。

糖尿病性腎症が原因で人口透析を受けなければならない患者が、ここ10年間で3倍近くも増加しています。

しかし、糖尿病性腎症になったからといってすぐに腎不全になり人口透析が必要になるわけでなく、糖尿病性腎症は進行の度合いによって、5つの病期に分けられ第2期の早期腎症の段階までに気付き、治療を始めれば、進行を遅らせることができます。早期発見には微量アルブミン尿検査が有効です。

予防は血糖コントロールが大切で血糖コントロールがうまくできていないから起こる合併症ともいわれています。血糖コントロールはヘモグロビンA1c が6.5%以下が良好です。それに血圧管理も重要です。




■ 腎臓の働き・・・糸球体はフィルター・・・高血糖が続くとフィルターの目が悪くなる

@血液をろ過して、尿をつくる
血液中の老廃物をろ過して、尿として排泄することで、血液をきれいに保ちます。


A体液のバランスを保つ
尿の量や体液の成分の濃度調節を行い、体液のバランスを一定に保ちます。


Bホルモンを作る
血圧を調整するホルモンや赤血球を産出するホルモンを作っています。


この役割の中心を担っているのが腎臓の糸球体という部分です。
糸球体は毛細血管のかたまりで、血液をろ過し、尿の元を作る、いわば”血液のフィルター”の役目を果たしています。


高血糖の状態が続くと、糸球体の毛細血管が障害され、ろ過機能も低下していきます。
そうすると、老廃物が溜まったり、尿にタンパクが出たりするようになります。
つまり、糸球体の毛細血管が痛んで、フイルターの目が悪くなり、からだに必要なタンパク質まで排泄してしまうのです。こうしてろ過ができなくなると、腎臓のかわりに機械で血液をきれいにする人工透析が必要になります。
できるだけ早いうちに異常を見つけ、治療することが大切です。



■ 糖尿病性腎症の病期と治療法・・・糖尿病性腎症を治せる薬はない・・・早期発見重要

病期 検査所見 自覚症状 治療法
第1期
腎症前期
正常 なし 血糖コントロール
第2期
早期腎症
微量アルブミン尿 なし 厳格な血糖コントロール
降圧治療
第3期
顕性腎症
前期 持続性タンパク尿 厳格な血糖コントロール
降圧治療
タンパク制限食
後期 持続性タンパク尿
糸球体ろ過率の低下
むくみ
血圧上昇
厳格な血糖コントロール
降圧治療
第4期
腎不全期
持続性タンパク尿
糸球体ろ過率の著明低下
血清クレアチニン値上昇
倦怠感
疲れやすさ
厳格な降圧療法
低タンパク食
透析療法導入
第5期
透析療法期
透析療法中 透析療法
腎移植


残念ながら、まだ糖尿病性腎症を治せる薬はありません。第2期の早期腎症の段階までに気付き、治療を始めれば、進行を遅らせることができます。

早期発見には微量アルブミン尿検査が有効です。糖尿病の人は定期的に微量アルブミン尿検査を受けたほうがよい。

糖尿病性腎症の初期には、自覚症状がありません。むくみや血圧上昇、倦怠感などの自覚症状が出るころには、もうかなり進行してしまっています。



■ 予防、治療のカギは、厳格な血糖コントロール・・・ヘモグロビンA1c が6.5%以下

糖尿病性腎症の予防、治療は食事療法、運動療法、薬物療法をきちんと行い、ヘモグロビンA1c が6.5%以下にたもつような厳格な血糖コントロールが必要。

糖尿病性腎症では血圧管理も重要。血圧が高い状態が長年続くと、血管に負担がかかります。たくさんの血管が集まった腎臓は、より障害を受けやすくなります。

糖尿病患者さんの高血圧の基準値は最高血圧130mmHg 以上、最低血圧80mmHg 以上です。これ以上だと高血圧の治療が必要となります。


タンパク質を制限することで、腎臓への負担を減らす。

病期が進行して腎機能が低下してくると、食事にタンパク質の制限が必要になってきます。タンパク制限のポイントは
@必要なエネルギーはしっかりとる
A良質なタンパク質をとる(ただし量は控える)
B治療用の低タンパク食品を利用する

腎臓への負担が大きい食塩やカリウムを制限しる場合もあります。


予防セルフチェック・・・全部○が理想的です。

血糖コントロールは良好である(・ヘモグロビンA1c が6.5%以下)  
血圧管理をしている(高血圧は130/80mmHg 以下)  
食事療法は順調で、タンパク質や塩分のとりすぎに気をつけている  
定期的に微量アルブミン尿検査を受けている  

糖尿病性腎症のセルフチェック

一つでも○があれば、腎症がかなり進行している可能性があります。すぐ医師に相談しましょう。

むくみがある   手足がしびれる  
最近急に血圧が高くなった   顔色が悪い  
疲れやすい   からだ中がだるい