糖尿病糖尿病性網膜症


■ 糖尿病性網膜症は糖尿病の三大合併症の一つ・・・失明者は年間約3000人

糖尿病になると恐ろしいのは合併症を発症することですが糖尿病性網膜症は糖尿病の三大合併症の一つで、重症になると失明にまで至る恐ろしい病気です。人間が得ている情報の80%は目からです。80%が失われるのですから生活の質が大幅に低下します。

糖尿病は血糖値が高くなる病気で高血糖の状態が続くと血液はドロドロで流れが悪くつまり易く、特に毛細血管はつまりやすくなり血管にダメージを与えます。砂糖水を想像してみてください。ネバネバベトベトです。こんな血液はつまり易くなるのは当たり前です。毛細血管といえどもバカにはできません。高度で複雑な働きをする目には眼底部分に毛細血管が張りめぐらされた薄い神経の膜の網膜があり、カメラのフィルムの役割をしています。ここの毛細血管が目づまりすることが原因で引き起こされるのが糖尿病性網膜症です。

糖尿病は毛細血管がつまることで引き起こされる合併症が多い。毛細血管なので自覚症状がでにくく、糖尿病性網膜症も糖尿病になってから7〜8年から10年過ぎたころある日突然、「目の中に煙のすすがたまったようだ」、「真っ赤なカーテンがかすんで見える」などの自覚症状がでて眼底出血や網膜剥離を起こしていて、もうどうしようもないところまで病態が進み、失明や重度の視覚障害になることが多いのです。

糖尿病性網膜症による失明者は年間約3000人もいると言われていますが、早期発見早期治療で失明は防ぐことができます。糖尿病は初期のころは自覚症状がほとんどなく、放置していると合併症を発症していることもあり、病院で糖尿病と診断された患者の20%がすでに網膜症を発症しているといわれています。糖尿病発症20年では60%の患者が網膜症を発症します。

早期発見には眼底検査が有効で糖尿病と診断されたなら、直ちに眼科医の眼底検査を受け、運よく網膜症が発症していなくても安心せず定期的に検査を受けるようにするとよい。 早期発見であれば治療の効果も高まります。また、厳格な血糖コントロールが予防になります。




■ 糖尿病性網膜症の進行過程は3段階に分けられています。

病期 病態(眼底部分) 自覚症状 治療法
単純網膜症 毛細血管がもろくなり、
血液がにじみでる。
点状出血
硬性白斑(シミ)
自覚症状なし 厳格な血糖コントロールで
自然に消えてゆく。
前増殖糖尿病網膜症 毛細血管が部分的に
目詰まりする。
軟性白斑(シミ)
自覚症状なし
かすみ
厳格な血糖コントロール
レーザー光凝固術
増殖糖尿病網膜症 新生血管が発生し、破れて出
血を起こし、硝子体が汚れる
硝子体出血や網膜剥離
飛蚊症が出て視野も
ぼやける。
軽度から重度の視力低下
又は失明
厳格な血糖コントロール
レーザー光凝固術
硝子体出血や網膜剥離の手遅
れ状態には、硝子体手術を行う


レーザー光凝固術
高血糖により網膜の毛細血管が目詰まりし酸素がいかなくなり、死滅する網膜に酸素を送るために新生血管がつくられます。新生血管が丈夫で害がなければよいのですが、新生血管はもろく破れて出血しやすく、網膜剥離の原因になります。
網膜の酸素不足を解消し、新生血管の発生を予防し、すでにできてしまった新生血管を減らすためにレーザー光凝固術は行われます。視力回復が目的ではなく、網膜の一部を犠牲にして今以上の網膜症の進行を予防する治療法です。


網膜剥離
もろい新生血管が破れて出血すると網膜の上に薄い膜ができてきますが、この膜が網膜を引っ張り網膜をはがしてしまうのを網膜剥離という。